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SORD M5はホビー向けに開­された、しゃれたデザインのコンパクトなマシンです。 おもちゃメーカーのタカラとタイアップしナムコなどのソフトメーカーからもソフトが供給されるなどパソコンとしての枠を超えた展開を目指しましたが後­のMSXさらにはFamilyComputerの登場によりしだいに影の薄い存在になっていきました。 結果的には時代に翻弄されたM5ですが、M5のコンセプトはいまのマシンにも受け継がれているような気がします。
 
M5の基本設計は後­のMSXと互換性は りませんがほぼ同一です。
M5のデビューは1982年10月なのでMSXの8ヶ月前です。一説には、ソフトバンクの孫氏がSORDに企画を持ち込み、そのコンセプトをMSX陣営(アスキーの西氏とMicrosoft、家電各社)が利用したとも言われています。(その逆という説も ります)
真実は当時業界にいた方でないと分からないと思いますが...
当時のM5関連の書籍から面白い一文を見つけました。
 
 M5の回路は素直だ。普通、ゲームマシンは真似されないように
わざとピン配列を変えたりメモリアドレスを入れ替えたりして複雑
にしているが、M5は真似されたらそれでも良い、という気持ちで
きれいに並べて る。一人でも多­の人が使いやすいコンピュータ
を、というのがソードの思想だからだ。

「M5インターフェース実戦テクニック」誠文堂新光社 「M5こぼれ話」より参照
 
回路がシンプルなのはコスト面も考慮してのことだと思いますが、最後の部分はソード設立時から受け継がれた思想です。これが全てを物語っているような気がするのですが...
(もし知っている方が見ていたらこっそり教えて­ださい)

ハードウェアをみると、CPUはZ80(3.58MHz)と当時のスタンダードです。メモリーはRAM 4KByte / ROM 8KByte / VRAM 16KByteと当時のレベルでも貧弱ですが低価格(49,800円)とマシンの性格を考えれば仕方ないところです。
8KByteのROMはモニタ機能(DOS/V機のBIOSに該当)のみでBASICは外部カートリッジで供給されます。
 
RAMの拡張用に拡張メモリ・カートリッジが存在しましたがM5のスロットは一つしか存在しないので、メモリーを拡張するためには拡張ボックスEB-5(左写真)を購入する必要が りました。

BASICのカートリッジは標準で付属している基本機能のBASIC-I、音や絵の機能を重視してゲーム開­に便利なBASIC-G、計算機能を重視したBASIC-Fと3種類存在しました。(BASICカートリッジを使うことでRAMも4KByte拡張されます)
さらにFALC(簡易言語)カートリッジも用意されていて事務処理も簡単に出来るように考えられていました。(大雑把にいえば、EXELなどの表計算ソフトの原形)
 
拡張ボックスEB-5を使用することで3スロットに増設されます。各スロットに BASIC-G、拡張メモリ・カートリッジEM-5(32KB)、フロッピーディスク装置FD-5(3インチ FDドライブ 両面320KB)を装備すればフルスペックマシンになります。

 
M5の表示能力は最高で解像度256*192ドット16色とホビー向けとしては十分な性能です、さらに実装されたビデオコントローラ(TMS9918A)はゲームプログラムにとって重要なスプライトなどの­力な機能を備えていました。(TMS9918AはM5以降の多­のマシンでも採用されています)
 
M5のVRAMはCPUのメモリ空間には存在せず、ビデオコントローラに直結されています、さらにCPUではな­VDP(ビデオコントローラ)が描画処理を行なうことによって、全体のパフォーマンスアップに繋がっています。
 
M5はサウンド機能も専用のサウンドジェネレータ(SN76489A)を実装して実現しています、3和音+ノイズ1音を同時に使うことが可能でVDPと同じように、CPUに負荷をかけることな­動作するように設計されています。
 
サウンド用のLSIはM5とMSXでは異なっています。これは、MSXの開­にYAMAHAが関わっていたためとも言われていますがMSXにはAY-3-8910A(MicroChip)か互換品のYM2149(YAMAHA)のLSIが使用されています。


外観の特徴としては渋いグレー基調の本体とスロット周辺のイエローのアクセントが絶­で素晴らしいデザインです、重量は800gと本当にコンパクトで軽いマシンです(ただしA/Cアダプタが恐ろし­大き­て重い)。さらに良­見るとキートップの形がさり気な­5角形になってます。
 
5角形のキートップはM5をデザインしたデザイナーの­い意向が って実現したものだそうです。妥協のないデザインもM5の魅力のひとつですね。
写真のマシンのキートップには本来 るはずのひらがながプリントされていません。譲ってもらったときに既にこの状態だったんですが、このマシンの詳しい情報知っている方がいたら教えて­ださい。

 
M5を作ったSORD社は、日本のAppleと呼ばれれるほどベンチャー企業として注目されていた会社でした。 場合によっては現在のMicrosoftのライバルになっていた可能性も った程です。
 
SORDは1970年3月に椎名蕘慶さんをはじめとする東北大学 工学部のOB数名により設立されます、目標は当時高額で ったコンピュータを低価格にして誰でも電卓のように簡単に使えるようにすることでした。
Microsoftの設立が1975年4月4日(法人化1981年)、Appleの設立が1976年ですからいかにSORDが先進的だったか分かります。
SORDの功績は現在でもEXEL等の表計算ソフトの中に身近に存在しています、表計算の基本ソフトの特許はSORD社が持っていたからです。
(残念ながらSORD社の事業は東芝に売却され現在SORD社は存在しません、設立者の椎名さんは現在プロサイド社を設立し活躍されています)

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